男性不妊症の問題

妊娠は容易いことではない

妊娠はあたりまえではない

 

一般的に妊娠は、女性の膣内に射精された精子が子宮に入り、卵管を上がり、15cmもの距離を泳ぎます。

 

精子はその途中、栄養を補給することなく、とてつもなく長い旅をします。

 

力尽きた精子も多く、卵にたどり着けるのはほんの数千匹なのです。

 

そして受精できるのはその中のたった1匹です。しかも受精しても着床できるかどうかわかりません。

 

この奇跡ともいえる精子と卵子の出会いのドラマを知って、
果たして「妊娠して当たり前」などといえるのでしょうか?

 

また、女性の卵子は、排卵されてから最長で24時間しか受精できません。

 

また、射精された精子が子宮内で生きられるのは最長で72時間といわれています。

 

精子の活動量(=元気さ)や卵子の新鮮さなどを考えると、妊娠可能な時間は実際にはさらに短くなります。

 

したがっておおまかにいいますと、
1ヶ月のうちで妊娠可能な日数は、排卵日の前後を含めた3日程度と考えられます。

 

男性女性どちらにも問題がなかったとしても、人間同士ですから、男性の1回の射出精子数もその時々で違うし、女性側も無排卵の時もあるでしょう。

 

ほかにも問題点はあるようですが、このような難関を乗り越えて、
1匹の精子とひとつの卵子が出会い、受精に至るのです。

 

ですから、妊娠することは「当たり前」とは到底いえない出来事といえるのです。

 

また、昨今のように結婚年齢が上がって、それでなくても「普通ではない」妊娠が年齢の問題などが絡んでくるとますます妊娠しにくくなってしまいます。

不妊検査は夫婦そろって

アメリカやオーストラリアでは「不妊治療は夫婦一緒に解決する」というスタンスです。

 

最初から、専門医に行くのが普通ですが、日本では妻が一人で背負い込んでしまうことが多いのです。

 

それはこういう事情からです。
日本では一般的な不妊治療の流れは、まず女性が産婦人科で女性ホルモンの値や排卵の状態などを検査します。その結果異常がないと精子の検査に移るのです。

 

この精子の検査は基本的に夫にマスターべーションしてもらい、精液をとるので、夫に言えない妻も多いのです。
意を決して相談して「そんな屈辱的なことできるか」などのような発言が夫から返ってくることもあり、微妙な問題をはらむこともあります。

 

 

妊娠には、男女ともストレスなど目に見えない要素が影響することがあります。

 

夫が一緒に来院しただけで「一緒に問題に取り組んでくれている」という精神的な安堵感を妻が得られ、これがいい結果につながることも少なくないようです。

 

挙児(赤ちゃんが生まれること)に至るかどうかは別として、夫婦が同じ目標に向かって、それぞれの精神的、身体的負担を相互に理解し、思いやることがとても重要なことです。

 

結果がどうであったとしても「納得して治療を受けた」あるいは「納得して治療を受けなかった」という気持ちがあればその後夫婦仲がこじれたり、後悔の念がいつまでも残ったりしないはずなのです。

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