勃起や射精のシステム

繊細、複雑なシステム・射精

勃起や射精=繊細な、複雑なシステム

 

勃起や射精がそんなに単純な現象ではない、ということはわかっていただけましたか?

 

さらに、神経伝達の回路なども含めると、脳と密接な関連があるのです。

 

勃起も射精も実は「脳が起こしている現象」と言ってもいいでしょう。

 

勃起の場合は、脳が反応することから始まります。

 

視覚や触覚などで性的興奮を感じとった脳は、その刺激を体に指令として送り込みます。

 

この指令が脊髄(背中を通る神経の束)を通って「勃起中枢」に伝わると、ペニスの海綿体に血液が流れ込むという仕組みです。

 

射精の場合は、脳の指令が脊髄を通って「射精中枢」に伝わり、精巣上体や前立腺、精嚢などに収縮が起こります。

 

この収縮によって、精液が精路内をどんどん押し出されて、最終的にペニスの先から排出されます。

 

余談ですが、男性は精路と尿道が同じであるため、間違いが起こらないのか、という疑問があります。

 

つまり、射精時にオシッコが出てしまうことはないのか?

 

これは、仕組みとしては起こりえないと思います。

 

射精は細かく分けると、3つの段階を経て行われています。
第1段階では精管が精嚢や前立腺につながっている部分まで精液が運ばれます。
第2段階では膀胱とつながっている部分(膀胱頚部)がぎゅっと閉じます。これによってオシッコが排出されなくなりますし、粘液が膀胱側に逆流することもなくなります。
第3段階ではペニス内の尿道に押し出された精液がペニスの先から排出されます。
男性の精路は、間違いが起りそうに見えるかもしれませんが、実は精巧にできているのです。

 

排尿の仕組み

もうひとつ、複雑なしくみで言えば、「排尿」も同様です。

 

脳の指令のもとに、「排尿中枢」によって膀胱や尿道の筋肉がコントロールされています。

 

ちょっと難しいのですが、指令によって膀胱の排尿筋という筋肉が縮まると同時に、尿道の括約筋が開くようなしくみです。

 

たとえるなら、左足でクラッチ踏みながら左手でギアを変えて、右手でハンドルを回す、マニュアル車の運転のような感じでしょうか。これが瞬時に、しかも同時に行われているような、複雑な仕組みがあって、初めてオシッコを出せるようになっているのです。

 

勃起中枢や射精中枢は、脊髄の下の方にあります。ちょうど腰のあたりです。

 

ですから、事故で脊髄を髄を損傷したり、生まれつき脊髄に障害がある場合は、当然、勃起や射精、排尿ができなくなります。

 

生殖器に問題がなくても、他の部位に病気や障害が起こると、うまくいかなくなります。

 

たとえば脳梗塞や糖尿病などの生活習慣病でも、勃起障害や射精障害、排尿障害が起こるケースもあるのです。

 

いずれにせよ、脳が司令塔であり、神経や筋肉、血管に複数の指令をくだしていて、それがうまく連係できてこそ、勃起や射精が起こるというわけです。

 

つまり、脳がストレスやプレッシャーを感じると、これらの指令がうまくいかなくなることも多々あります。

 

シンプルに、男性は「心が繊細だ」と言いたいところですが、この複雑なシステムが背景にあって、うまくいかないときもあることを知っておいてください。

 

もちろん、女性の体のしくみも相当複雑ですし、非常に繊細だと思います。

 

ただ、男性の場合は、勃起や射精という「性的能力」に直結する部分でもあり、「男のプライド」に関わるセンシティブなところでもあります。

 

ですが、ときには「勃たない」「イカない」ということもあるのです。

 

その事情はこういうことなのでした。

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