精子も老化する

老化するのは卵子だけじゃない

精子も老化する。

 

ちょっと以前、センセーショナルに取り上げられ、話題になったのが「卵子老化」です。

 

卵子は老化するという事実が「NHKスペシャル」というテレビ番組で取り上げられ、女性たちの不安を一気に煽ったのです。

 

焦って不妊治療を始めた女性も少なくないと思います。若いうちに卵子を採っておこうと、「卵子凍結保存」に踏み切った人もいるようです。

 

でも、ここでひとつの疑問が浮かびます。

 

 「老化するのは卵子だけ? 精子はどうなの?」
答えは 「ハイ、精子も老化します」

 

日々男性の体内でせっせと作られている精子には、老化というイメージがあまりないのかもしれません。

 

また、高齢男性であっても子供を授かる人がいますから、男性はいつまでも妊娠させることができると思い込むのも仕方ありません。

 

たとえば、芸能人でも60代や70代の男性で子供を授かった例があります。
さらに昔にさかのぼれば、徳川家康も60歳で19人目の子供を作ったと言われています。
こうした特殊な例が積み重なって、「男性の精子は死ぬまで現役」と社会全体に思い込ませてしまっているのでしょう。

 

しかし、考えてみれば、これは動物界において特異な話です。高齢のオスが年齢の離れた若いメスと子作りに励むのは、ヒトだけです。

 

高齢で子供を授かっている人はごくまれなケースです。
逆に、若くても不妊症に悩む人が増えているのです。

 

実際には、精子は確実に老化します。

 

精子の老化とは、加齢とともに精子数や運動率が低下するということです。

 

それだけでなく、受精率や妊娠率も下がることがわかってきました。つまり、女性だけが焦っている場合ではありません。

 

子供が欲しいのであれば、男性も同様に自らの生殖年齢を気にしなければいけないということなのです。

 

この事実は残念ながら、あまり知られていません。

 

もしかしたら、うすうすわかっていたことなのかもしれませんが、女性の「卵子老化」のように煽情的には取り上げられていないのです。

 

依然として「不妊症は女性の病気」という思い込みが強く、男性が不妊治療に消極的なのが現状です。

不妊治療の成功率も低くなる

精子の老化に目を向ける

 

夫の年齢が高ければ、精子の老化も進み、自然妊娠する率が低くなります。
「人工授精や体外受精があるじゃないか」と思うかもしれませんが、精子が老化していれば、これらの不妊治療の結果も悪くなるのです。

 

不妊症を治療する補助生殖医療はめざましい発展をとげていますが、やはり加齢との闘いであることに変わりはありません。

 

精子も卵子も「若さ」は成功のカギですし、年齢が高くなればなるほど妊娠率は低くなります。

 

男性が加齢現象として問題意識を持ちやすいのは、

 

「髪の毛が薄くなった」
「腹が出てきた」
「勃起しなくなった」
「勃起が持続しなくなった」など、

 

目に見える外側の事象です。

 

男性機能の象徴とされているペニスにばかり目がいき、よもや精子が老化しているとは考えも及ばないのでしょう。

 

もちろん子供はいらないと思っているのであれば、精子の老化はたいした問題ではないかもしれません。

 

ペニスが勃たない、あるいは持久力がないほうが老化を意識しやすいものです。

 

精子の老化はもっと意識されるべきテーマです。

 

不妊症で悩む女性にとっては、非常に重要な問題点でもあります。

 

いくら女性がさまざまな検査を受けて、努力を重ねても、男性の意識が低いままでは不妊治療はうまくいきません。

 

不妊治療は女性だけのものではなく、男女で問題点を共有し、理解し合うところから始まります。

 

世の中にはセックスに関するおりとあらゆる情報が氾濫し、男性にとっての興奮材料や精力増強法などはたくさん目にします。

 

ペニスやスタミナに対しては過剰なまでのアドバイスがあるものの、精子そのものに関する事実はフタをされて隠されたままのような気がしています。

 

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