階段は上るより下りるほうが筋肉がつく

 

筋肉のメカニズムの話

 

筋肉は骨と骨との間、いわゆる関節をまたいで、くっついています。

 

そして筋肉が縮むことによって骨と骨が動き、その結果として身体を動かすことができるのです。

 

筋肉は縮むことで力を発揮します。

 

たとえば重い荷物をグイッと持ちヒげる場合、上腕表側の筋肉(上腕二頭筋)を収縮させることで、力を発揮し、ひじを曲げることができるのです。

 

 

一方、一度持ち上げた荷物を下ろす場合はどうでしょう?
下ろすのだから、力は必要ないと思いますか?

 

もちろん、荷物を下ろす時にも力は必要です。

 

一度持ちLげた荷物を下ろす時、私たちは曲げたひじを伸ばしていきます。

 

ただし、一気に力を抜いて伸ばすことはありません。

 

そうしてしまったら、ひじがものすごい衝撃を受けて、ひじ関節を痛めてしまい、最悪の場合は骨折にまで至るかもしれません。

 

無意識のうちに行っていることではありますが、私たちはひじが伸びきることがないよう、収縮した上腕の筋肉でブレーキをかけながら徐々に伸ばしているのです。
このようにブレーキをかけながら筋肉が伸ばされていくことを、「エキセントリック収縮」といいます。

 

伸ばされていくのに収縮というのはおかしな話ですが、「エキセントリック」というのは、そもそも「奇妙な」という意味の英語。

 

筋肉には伸ばすという作用がないにもかかわらず、伸ばすために筋力を使うことから、このように呼ばれているのです。

 

エキセントリック収縮は、上げる時より下ろす時に、もも前の筋肉でいうと立ち上がる時ではなく座る時に、階段を上がる時ではなく下りる時に使われます。

 

エキセントリック収縮に対し、物を持ち上げたり、立ち上がったりする時に使われるのが、「コンセントリック収縮」です。

 

ところで、エキセントリック収縮で発揮される力は、コンセントリック収縮で発揮される力の150%といわれています。

 

一般的に物を持ち上げるよりも下ろす方が、立ち上がるより座る方が、階段を上がるよりも下りる方がそれぞれ楽に感じますが、それはエキセントリック収縮で発揮される力の方が大きいためです。

 

つまり、エキセントリック収縮をうまく使うと、コンセントリック主体の従来の筋トレとは異なり、より疲れずに効率よく鍛えることができるというわけです。

 

私は、外出先では上りはエスカレーターですが、下りる時は必ず階段を使うようにしています。

 

下りる時の方が、筋肉への負荷は増大するにもかかわらず、楽なので効率的に筋肉を刺激できるからです。

 

また筋肉には遅筋と速筋がありますが、鍛えて大きくなるのは速筋です。

 

エキセントリック収縮は速筋線維を優先的に使うともいわれています。

 

エキセントリック収縮は、筋肉を大きくする刺激を、大きくなる筋線維にダイレクトに与えることができるのです。

 

筋トレというと、コンセントリック収縮(持ち上げる時)に意識が向かいがちですが、伸ばしていく時にできるだけゆっくり動かすなど、エキセントリック収縮にも意識を向け、トレーニングをより効果的に行ってください。

 

持ち上げる時、立ち上がる時よりも、下ろしていく時、しゃがんでいく時により集中してみてください。

 

たとえ小さ習慣でも、それが筋トレになります。 

 

階段を下りるのが大変という方は、イスにゆっくり座ることをつねに心がけるだけで十分です。

 

トイレに座る時にも少しだけ意識してみましょう。

 

スクワットと同じ効果があります。

 

日常生活の中に、ちょっとした筋トレ習慣を組み込んでいきましょう。